珈琲ゼリー ~ほろ苦オフィスラブ~
第4章 奈緒、舞い上がる
ベッドサイドの携帯が鳴った。
主任からのメールだ。
『起きてるか?美村さえよければ、11時に家まで車で迎えに行こうと思ってるが、どうだ?』
私の、もやもやした気持ちは、一瞬にして吹っ飛んだ。
『いいんですか?』
『あぁ』
『じゃぁ、お言葉に甘えて……』
『わかった。ナビに設定するから住所か電話番号教えてくれ』
パジャマのまま、メールをやり取りし、パチン、と携帯を閉じたとき、私は、ほわほわした幸福感に包まれていた。
大好きな主任の、ナビに私の家が登録される。
主任が家に、私を迎えに来てくれる。
しかも、行き先は、主任の家……!
これが、幸せじゃなくて、なにが幸せだっていうんだろう!
私は、はずむように浴室へと向かった。
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