珈琲ゼリー ~ほろ苦オフィスラブ~
第4章 奈緒、舞い上がる
―― 二人掛けのシックな黒いソファに座って、私と主任の肩が触れ合っている。
ここは……主任の家?
「主任……?」
「こら」
私が彼を呼ぶと、すぐさま肩を抱き寄せられて、切ない声が鼓膜をくすぐった。
「秋人って呼べって言っただろ……」
耳にかかる吐息。
ドキドキが、最高潮に、私の体を熱くしていく。
「あ、あき、あき……ひ、と?」
しどろもどろに私がそう言うと、主任の手のひらが私の頬に当てられた。
「きちんと言えなかったぞ。始末書だな」
「え、ええ!?」
「だが、これで許してやらないこともない」
そのまま私の体はソファに押し倒され、彼の体重が私の体を支配する。
「しゅ、しゅに」
「だから、『あきひと』」
主任のぬくもりにに包まれながら、ゆっくりと、主任の長いまつげが近づいてくるのを見ていた。
唇と唇が密着して、彼の手が私の太ももを撫でる。
その手は太ももを伝ってスカートの中へ滑り込み、そして指先が下着にたどり着いた。
あ、だ、だめ……
『……ピピ、ピピピ、ピピピ』
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