珈琲ゼリー ~ほろ苦オフィスラブ~
第4章 奈緒、舞い上がる
主任、どんな顔でメール打ってるんだろう。
どんな格好で、どんな部屋で打ってるんだろう。見てみたいなぁ、主任の部屋……。
私は、シンとした部屋で、メールの着信だけを待っている。
えさを待ってる犬みたいに。
私に尻尾が生えてたら、いま、まちがいなく、ちぎれそうなくらい振り回されている。
しばらく間があってから、私の両手に握り締めていた携帯が、メロディを鳴らした。
すかさず、携帯を開ける。
着信は、期待を裏切ることなく、主任。
そして、そこに書かれた文字を見て
私は、固まってしまった。
そこには、味気のない機械文字で、こう書かれていた。
『だったら、俺の家くるか?』
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