珈琲ゼリー ~ほろ苦オフィスラブ~
第4章 奈緒、舞い上がる
結局、私が返した返事は
『主任はどこか行きたいところありますか?』
だった。
私が決めて、ハズしたくない。
つまらないって思われたくない。
テレビも消して、メールに熱中する。
手の中の携帯が鳴って、慌ててフォルダを開いた。
『こら、質問に質問で返すな。行きたいところは、ないんだな?』
……怒られてしまった。
けれど、こんなに嬉しいのは何故だろう。
私、いま自宅にいるのに、主任と繋がってる。
主任とメールしてるよ。しかも、デートの打ち合わせしてるよ!
『行きたいところ、たくさんありすぎて、決められません!』
送信すると、すかさず携帯が鳴る。
『ば~か』
なんで嬉しいんだ、わたしは。ばかって言われてるのに。
携帯を見ながら、顔が一人でにやけてる。今日弟が来てなくて本当に良かったと思う。
私はベッドに転がった。
『主任、決めてくださいよ~』
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