珈琲ゼリー  ~ほろ苦オフィスラブ~
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発行者:すみれ
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2010/09/16
最終更新日:2010/10/02 00:27

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珈琲ゼリー ~ほろ苦オフィスラブ~ 第4章 奈緒、舞い上がる
「あーあのね、昨日は主任にお説教されちゃった。お昼中、延々と」

 にっこり。

「そうなの?そんなに怒ってるように見えなかったけどなぁ」

 洋ちゃんがハフハフ言いながら、ポテトピザをほお張る。

「あの、もうね、怒るとか、そんなレベル超えてるみたい。ダメだねぇ、私、えへへ」

 自分でそう言って、自嘲気味に笑ってみた。

 そのまま、かぷりと、ピザにかぶりつく。



 気がつくとテーブルがシーンとしていて、顔をあげると、三人とも、ピザを食べる手を止めて、ひどく不憫そうな顔で私を見ていた。

「え、あれ?」

 困って、三人の目を見返す。と

「奈緒、お、落ち込むことないよ」

「そ、そうだよ、気にしないほうがいいよ、ねぇ」

「うん、元気出して、そのうちできるようになるって。ほら、これ食べな」


三人が一気に同情のセリフを向けてきた。最後の一切れのピザが私のお皿に置かれる。

しまった。そうとう同情されてる……。

うそなのに。なんか申し訳ない……。

「あはは、私、気にしてないよ。あの、主任もがんばれっていってくれたし」

「そ、そうよね」

「がんばれ!」

「大丈夫よ、ドンマイ!」

 みんなの気遣いが身にしみる。

 ……ごめんね、みんな。
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