珈琲ゼリー  ~ほろ苦オフィスラブ~
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発行者:すみれ
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2010/09/16
最終更新日:2010/10/02 00:27

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珈琲ゼリー ~ほろ苦オフィスラブ~ 第4章 奈緒、舞い上がる
「奈緒~今日はどこ行く~?」

お昼のチャイムが鳴り、他の女子社員たちが、ぞろぞろと財布を持って立ち上がる。

「あーちょっと待って、これだけやったら」

あとひとつだけ、どうしても午前中に入れておきたいデータがあって、半分腰を浮かしながら打ち込みをしていた私。

そんな私を後ろから主任の声が呼び止めた。



「美村」

「はい」

「ちょっと、いいか」

「あ、はい」

私はパソコンのエンターキーを押して、ちらりと主任を見て、女子社員に向きなおった。

「ごめ~ん、洋ちゃん先行ってて。あとで行く」

でも、それを

「いや、原西、美村は今日は行かない。悪いな」

と主任の声がさえぎった。



「え?」

「え?」

洋ちゃんと、私の声が重なった。


「美村は居残り。えさはこっちで用意するから」

「え、えさぁ!?」

主任の発言に驚きながら、洋ちゃんを見ると、洋ちゃんも目を丸くしていた。

そして私たち二人を交互に見た後「どうも、お邪魔しましたぁ~」なんて言いながら、事務所を出て行った。
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