珈琲ゼリー ~ほろ苦オフィスラブ~
第3章 誤解のはじまり
でも
でも私には
「私には、あんたみたいな器用な付き合い方はできないよ」
「ふぅん。不器用なんだね」
「女はね、常に優位じゃ、冷めるものなの」
「うわ、女とか語りだしちゃったし」
「あぁ、訂正。『私は』やっぱり自分が、本気に好きになった人じゃないとダメみたい」
「ふぅん……」
ちょっと、ちょっとだけ、わかってきた。
私、主任のことを好きな、自分が好き。
ちょっとしたことで嬉しくなって、ちょっとしたことで悲しくなる、自分が好き。
ワクワクドキドキしてる自分が好き。
そして
私をこんな気持ちにしてくれる、主任が
すごく好き。
どんなに冷たくされても
私のことなんか、全然眼中になくても
主任に会えてよかったって思う。
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