珈琲ゼリー ~ほろ苦オフィスラブ~
第3章 誤解のはじまり
「ナオスケも早く彼氏つくれよな~高い理想ばっか言ってないで。『コレ』は多分無理だよ。美形すぎ」
「うるさいな。無理めなことくらいわかってます」
それでも、抱き寄せられて『かわいかったんだな』なんて言われちゃったんだからね。
きっと主任は酔っていて覚えていないだろうけど。
あの後、会社に着いてから起きた主任は、ケロっとしていつもと同じ様子で仕事に戻っていたから……
でも、携帯の寝顔見たくらいで、無理、と言われちゃうくらい、私と主任は釣り合わないのか。
起きて、キリリとした写真なんか見たら、夢を見るなとバカにされるんだろうなぁ。
こんなかっこいい人が、おなじ会社にいるだけでも、夢みたいなことだもんなぁ。
こんな写真が撮れたことだって奇跡。
ましてや酔って抱きつかれちゃうなんて、ただのラッキーとしか言いようがないよね。
……わかっちゃいるけど。
そう面と向かって、ムリ、と言われると、うわついた気持ちがシュンとしおれてしまう。
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