珈琲ゼリー  ~ほろ苦オフィスラブ~
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発行者:すみれ
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2010/09/16
最終更新日:2010/10/02 00:27

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珈琲ゼリー ~ほろ苦オフィスラブ~ 第7章 本当の気持ち
終業のチャイムが鳴る。

今日の服は、藍色のヒラヒラしたチュニックに、白のパンツ。

シルバーの三連ネックレスと、ハート型の腕時計。

急いで着替えて、トイレに移動。口紅を塗りなおして、髪をサイドでクルクルとまとめあげる。



どんな状況でも、主任と会うときは、一番かわいい自分でいたい。

たとえ、このデート(なのかどうかわからないけれど)が最後になっても。



「あれ?美村さん」

トイレから出てきた廊下で、後ろから男の人の声が響いた。

振り返ると、同期の東田くんが、スーツ姿で立っていた。



「東田くん」

東田くんは、かっこいいというより、かわいい感じの男の人だ。

入社したての頃は、よく同期のみんなで飲みに行ったりしていた。

「美村さんの私服姿、なんかかわいいね」

「え、ホント?ありがとう」

褒められて、私は改めて自分の格好を見下ろした。

素直に嬉しくなる。

主任も、そう思ってくれるだろうか。



「美村さんは、もう帰り?」

「うん」

「そう」


私はそわそわと出口に視線をむけた。

人がまばらなホール。

無人になった受付。

主任、待ってないかな。

でも、私がオフィスを出るとき、まだ仕事していたから、今頃着替えてるころかな。
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