月刊武上レジまぐ版
第1章 月刊武上レジまぐ版創刊
―月刊武上レジまぐ版'15 7月号
木曜日。
仕事で疲れて帰ってくると、必ず村上龍さんがテレビに映っている。
今月は村上龍さんをテーマに思いつく事を書いてみようと思います。
プロの作家さんなのだが、小説は全て表紙と裏表紙と1ページ目を読んで書店の本棚に戻した。
ここまででソソラレなければ、本を買う事はない。
理屈ではなく経験則だ。
それ以外には、写楽と言う雑誌が有り、途中から村上龍さんが取材記を連載したのを読んだ事が有る。
コート紙オールカラーの写真で構成されている雑誌に、黒文字に単色の写真に上質紙と言うチープこの上ない取材記だった。
何故か記憶している一文が有る。SMクラブの取材記だった。
―縛ってもらったが、興奮しなかったー
村上龍さんと言う人は、この一文に凝縮されると思う。
思想に偏りが無いのだ。
SMと言うのは、思想の偏りで成立する。
道徳的にしてはいけない事をしていると言う、強い思い込みがなければ、興奮する事はない。
村上龍さんにとって、料金を払い仕事である以上、そんな思い込みは発生しないのだ。
そして風俗を否定も肯定もしない。
興奮しなかったとだけ書く。
思想に偏りが有れば
17