連立の命(れんりのいのち)
連立の命(れんりのいのち)
完結
発行者:桃子(とうこ)
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ジャンル:ミステリー・推理

公開開始日:2014/11/08
最終更新日:---

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連立の命(れんりのいのち) 第1章 プロローグ
波に揺られ、母の心配する顔を思い浮かべながら、頭がおかしくなりそうになるのを必死に我慢した。
船のエンジン音は不安を掻き立て眠れない。船の甲板に出ても、見えるのは暗い空と無限に広がる海……。
パックスは、毎日朝5時に起床してヤシの実で甲板を磨いた。
何も考えず、ただひたすら磨いた。それが終わると船室の清掃と窓拭きをした。
ただ、来る日も来る日も、全てを忘れたくて必死に清掃をした。
そして、一日が終わると、パックスは倒れるように眠った。
しかし、何故だろうか……
不思議な事に食事だけは毎日きちんと与えてくれた。やっと我慢して食べられる程度のものだったのだが……。

どの位の時間が流れたのであろうか。相変わらず船室は暗くジメジメしていた。
そして、いつもの様にパックスは不安と闘いながら眠りについた。
と……突然船のエンジン音が静かになった。
(何処かに着いたのだろうか。一体ここは何処なのだろう)
そう思っていると、突然ドアが開き、船員が入ってきた。
「Get out ! Get doun ! 」
パックスは、再び目隠しと猿轡をされ、後ろ手に縛られ車に乗せられた。時々目隠しを通して明るい光が感じられたが、また直ぐに暗くなった。
静かだった。
時々水の流れる音が聞こえるかと思うと、また何も聞こえなくなる。
ただ、彼が乗せられている車のエンジン音だけが、やけに耳に響いていた。
どの位の時間が経ったのだろうか。やっと車が止まった。
パックスは、無理やり車から引きずり出され、何処かの建物の中に連れて行かれた。
目隠しを通しては光が感じられない暗い廊下を進むと、にわかにパッと明るくなった。
ガチャッ !背中を軽く押された。
目隠しをされていたので、バランスを崩し足がよろけた。
腕の拘束だけ解かれ、今度はドアが閉められた。
両手が自由になったパックスは、自分で目隠しと猿轡を外した。きっと、何処かの倉庫に違いないと思って目を開けると、以外にも、その部屋は綺麗だった。
清潔そうな真っ白なシーツに包まれたベッドと、その横には小さな可愛いテーブルがあった。
恐る恐る彼はそのベッドに座った。そして、ただじっと息だけをしていた。
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