連立の命(れんりのいのち)
連立の命(れんりのいのち)
完結
発行者:桃子(とうこ)
価格:章別決済
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ジャンル:ミステリー・推理

公開開始日:2014/11/08
最終更新日:---

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連立の命(れんりのいのち) 第13章 《第13章》 最終章
 雅治の話を聞いていた倖が、たまらなくなって話し出した。

「みなさん。私は雅治の義姉です。私も雅治と同じ経験をしました。私は雅治とは少し違いました。ユンカは、私のドナーは、私に夢で夢を見せてくれました。そしていつも心を癒してくれました。彼女は、私の性格をよく理解していたのだと思います」
 マイラは、落ち着くのよと言わんばかりに、倖の背中を撫でた。

「私が移植コーディネーターになったばかりの時、やっと移植に同意してくれた一人の母親が居ました。彼女の娘さんは、移植のために手術室に入る時、人工呼吸器に頼ってでにありましたが、ピンク色の温かい体をしていました。でも、手術室からから出てきた時には、その体は氷のように冷たくなっていました。冷たくなった娘に触れた母親は、『私が娘を殺したんだ』そう言ってパニックになり、大声で泣きだしてしまいした。私は、どうする事も出来ず立ち尽くしていました」
 倖は何を伝えればよいのか混乱していたが、ユンカが自分の傍に居るような、不思議な気持ちがしていた。

「ドナーの家族は、大切な子どもが突然事故に会い、脳死判定を受け、悲しみのどん底に居る時に移植の話を聞きます。こんな状態の時に、どのくらいの家族が他人の命の事を考える事が出来るのでしょうか。この母親も同じでした。でも、彼女は同意してくれ、そして、その事でずっと自分を責め続けました。私自身もショックで立ち直れませんでした。その後、私の両親の逮捕が重なり、私は失意のどん底にいました」
 会場は静まり返っていた。倖は振り返り、マイラの顔を確認した。優しく微笑むマイラを見て、倖は安心した。

「私はうつ状態になり、一時期心療内科に入院しました。そんな時、ユンカが私に夢を見せてくれたのです。私はサファリに勤めていました。ライオンの赤ちゃんがとっても可愛いく、像やシマウマ、キリンなど沢山の動物たちに囲まれて、とても幸せな気分になれたのです。そしてその夢が、何時しか私を落ち着かせてくれました。ユンカもまた、私を夢で救ってくれました」
 
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