連立の命(れんりのいのち)
連立の命(れんりのいのち)
完結
発行者:桃子(とうこ)
価格:章別決済
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ジャンル:ミステリー・推理

公開開始日:2014/11/08
最終更新日:---

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連立の命(れんりのいのち) 第13章 《第13章》 最終章
 マイラは、昨晩考えていた。雅治と倖と一緒のベッドで休みながら、どうしても移植に関して話せなかった事を悔やんでいた。話せば、きっと深い溝が出来てしまうかもしれない。
 しかし、その事を話して初めて、三人は本当の親子になれるのではないかと思った。
 その事を避けている限り、お互いの気持ちが、本当の意味で寄り添う事は出来ないのではないかと。
 雅治と倖も同じ気持ちだった。そして、そこに目を瞑って居たなら、自分たちがマイラに会いに来た意味がなくなる。

 二人はマイラの方をじっと見つめていた。マイラがどんな気持ちでいたのか、どれほど辛い日々を送っていたのか。それをどんなに辛くとも、二人は受けとめようと真剣に聞いていたのだ。
 そんな二人を見て、マイラは安心して話を続けた。

「最初はショックでした。そんな事はあり得ない。そう思いました。悲しすぎて、とんでもない夢を見ているのだと思いました。でも、夢はリアルでした。そして毎日毎日続くのです。昨日の話の続きを、今日夢見るのです」
 雅治と倖は、自分たちも同じ経験をしていた為、よく理解することが出来た。
 しかし、報道関係者や新庄たちには、やはり信じがたい事であるに違いなかった。

「悲しいけれど、夢の中でパックスとユンカに会える事が、私の楽しみ変わって行きました」
 雅治は、マイラの話を自分の夢と重ね合わせながら聞いていた。自分はパックスの夢を見たくて、毎日わくわくしていた事を恥ずかしく思った。
 マイラはこの時、悲しみに壊れそうになりながら、それでも二人に会いたかったのだ。 そして、パックスは、あんなに辛い思いをしたのに、決して自分を恨んではいなかった。殺された事はどれほど悔しく、悲しかっただろうに。
 マイラは、悲しみを打ち消すかのように、淡々と話しを続けた。

「パックスは、一番つらい部分を、多分あまり伝えてくれてはいなかったのだろうと思います。そのうち、雅治がどんな青年なのか、どんなに責任を感じてパックスの事や私の事を案じてくれているのかを伝えてきました」

 雅治と倖は、いまさらながらパックスの優しさを感じていた。
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