連立の命(れんりのいのち)
連立の命(れんりのいのち)
完結
発行者:桃子(とうこ)
価格:章別決済
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ジャンル:ミステリー・推理

公開開始日:2014/11/08
最終更新日:---

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連立の命(れんりのいのち) 第13章 《第13章》 最終章
 その日の朝は、今にも雨が降り出しそうに曇っていた。
 南アフリカ共和国の外務省前には、世界中から報道陣が集まっていた。
 しかし、事件が臓器売買というおぞましいものに関する事であったため、皆一様に重くるしい気持ちで対談を待っていた。

 対談の行われる小部屋には、報道関係者が入る事は許されず、カメラの設置しかできなかった。関係者は、不満を感じながら記者会見用の大広間に向かった。
 対談は、此処でカメラ越しに行われることになっていた。

 出席者は、南アフリカ共和国政府関係者一人と、新庄議員、マリー医師、マイラ、雅治・倖義姉弟、ムンカのわずか六人で行われた。それは、まさに異例のものであった。
 少人数のアットホームな対談とは言え、事は国と国、一国の名誉にも関わるデリケートなものであったため、南アフリカ政府と日本政府は、対談の内容いかんによっては、世界中をパニックに陥れるのではないかと懸念していた。

 そのため、外務省の小部屋には、マリー医師の提案により、観葉植物の鉢植えが多数置かれ、本当に、どこかの部屋のように、出来るだけアットホームな演出が行われていた。
 まず、南アフリカ政府関係者が挨拶を始めた。

「世界中の報道関係者の皆さま、本日はお集まりいただいて、ありがとうございます。先日の不法な移植の件で、世界中を恐怖に陥れた事を、南アフリカ共和国政府より深くお詫び申し上げます」
 決して、政府が悪いわけではなかったが、その一言で、全世界の人々は、少し納得が出来たように感じたに違いない。
 そして、新庄議員が続けた。

「私からも、一言言わせて下さい。今回の事件で、我々日本国民は、これまで可能であったアメリカでの移植はもはや不可能となってしまいました。それは、不法な移植に関与した一人の医師のエゴから端を発したものでした。この事件の真相は、すでに世界に向けて報道されたとおり、真実に相違ありません」

 記者会見用の大広間には、大きなため息と、バッシングが起こった。しかし、新庄は続けた。
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