連立の命(れんりのいのち)
連立の命(れんりのいのち)
完結
発行者:桃子(とうこ)
価格:章別決済
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ジャンル:ミステリー・推理

公開開始日:2014/11/08
最終更新日:---

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連立の命(れんりのいのち) 第12章 《第12章》
早く会いたい気持ちは変わらないのだが、軽減していた不安がもやもやと頭をもたげteきた。

「どうしたの? 二人とも暗い顔をしているよ」
ムンカが言った。
「会いたいんだけど、怖いんだ……」
そう雅治が言うと、ムンカはこう言った。
「どんな事情があるのかは知らない。でも、こんなに遠くまでやって来たのにはそれなりの覚悟があったんだろう? 大丈夫だよ。ユンカとパックスがきっとうまく会わせてくれるから」
 そうムンカに言われ、二人は決心がついた。

「ムンカ、ありがとう。そうだね。マイラは僕たちが来る事を待っていてくれたんだもの。僕たちに会いたがってくれていたんだ。事実を話すのは怖いけど、そうしなければいけないんだ」
 ムンカは黙って頷いた。優しそうな微笑みをたたえたその顔は、まるで優しいマリア様のようだった。

 そして、車は静かに停止した。

 緑に囲まれた病院は、三人が想像していたよりも綺麗で落ち着いた雰囲気だった。その様子を見た三人は、一様にほっとした。

 駐車場から病院の玄関まではかなりの距離があった。
 背の低い緑の葉を沢山たたえた木々が、強い太陽の光を遮って病院までの小道を涼しくしていた。小道の両端には可愛いベンチが置かれ、看護師や医者と一緒に、そこで一日を過ごす患者さん達がいた。
 
 精神病院に強制措置入院させられたと聞いていた為、どの様な扱いをされているのかが気がかりだったが、少しだけ安心した。

 小道を抜けると、そこは明るい広場になっていた。広場の中央にはベージュ色の噴水があり、そこから優しい雰囲気の玄関が見えた。

 三人は玄関の前まで行って少し止まり、顔を見合わせて頷いた。この時の三人には、人種という壁を乗り越え、言葉を超えた何かが芽生え始めていたのだ。
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