連立の命(れんりのいのち)
連立の命(れんりのいのち)
完結
発行者:桃子(とうこ)
価格:章別決済
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ジャンル:ミステリー・推理

公開開始日:2014/11/08
最終更新日:---

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連立の命(れんりのいのち) 第10章 《第10章》
 そんな時、悠一が新庄にある提案をした。それは、移植に関する組織を国家レベルで結成してはどうかというものであった。
 
 これがきっかけとなり、移植法はさらに改正される事になって行った。
 つまり、現在移植を行う病院に倫理委員会を設けて倫理的な判断をさせ、そこで移植が決定されていたところに、今回の立花の犯罪の原因があったというものであった。

 そこで、国家レベルで脳死判定チームを結成することで、個人の恣意を挟む余地をなくそうというものである。
 そのチームは、三人の医師と移植コーディネーター、心理カウンセラー、弁護士の四職種六人で結成される。三人の医師は、その病院の医師と一緒に脳死判定を行う。移植コーディネーターは滞りなく移植がスムーズに進むように調整し、心理カウンセラーは移植前や移植後のドナーの家族に対する精神的援助をきめ細やかに行うというものであった。

 心理カウンセラーの動員は、倖が自分の経験から必要不可欠なものであるという事を新庄に強調した。新庄も、ドナー家族の精神的フォローアップの必要性を強く感じていた為に、今回の提案に組み込んでもらう事が出来た。

 弁護士は、移植前後の医療過誤や、患者家族とドナー、医師とのトラブルが起こらないように、また、トラブルが起こった時に、内情を良く理解している弁護士の存在が不可欠であるということから、移植チームに組み込まれることになった。

 その後、立花は国会に招致され証人喚問された。その実態が明らかになるたびに、日本国民はその驚愕の実態に驚かされることとなった。
 マスコミはテレビや週刊誌で取り上げ、連日報道された。
 雅治と倖は再び狂気の目にさらされる危険性に怯えながらも、新庄の計らいにより、大事には至らなかった。

 しかし、二人の心には、今までとは違う気持ちが芽生えていた。確かにマスコミの目は怖かった。事実のみが報道されれば良いが、事実でないことが報道されている事に対して納得がいかなかったのだ。

 それは、自分たちにとって大切なパックスやユンカのことが、単なる臓器売買の被害者として取り上げられているに過ぎないからであった。

 さらに、臓器売買の衝撃は日本国内の問題のみにとどまらず、世界中のメディアが取り上げていた。まさに臓器移植自体が生々しい殺人を誘発するもののように捉えられてしまっていた。

 
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