連立の命(れんりのいのち)
連立の命(れんりのいのち)
完結
発行者:桃子(とうこ)
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ジャンル:ミステリー・推理

公開開始日:2014/11/08
最終更新日:---

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連立の命(れんりのいのち) 第9章 [《第9章》 
 一か月前、倖がやっとの思いで移植に同意をしてもらった母親が、手術室から出てきた娘を見てパニックになった。当たり前の事ではあったのだが……

 手術室に入る前は温かくピンク色をしていた娘が、冷たく血の気がなくなって出てきた。母親は自分が同意した事で娘を殺してしまったのだと考え、パニックになったのだ。
 確かに身体が温かくピンク色をしていた娘が、臓器を取られ、冷たくなって手術室から出てき時、どれほどの母親がその状況を受け入れる事が出来るのであろうか。

 その後その母親は精神状態が不安定となり、心療内科に通っている。
 この時から倖は、ドナーの家族に対する精神的ケアの大切さを痛感した。逆に移植を受けた患者家族は、元気になった我が子を見て喜びでいっぱいになる。かつて倖の両親がそうであったように。

 しかし、ドナーの家族は正反対である。悲しみのどん底にいながら、さらに自分を責める事になる。

 倖は、日本人の死生観に今更ながら他宗教との差を感じていた。
 特にキリスト教の考え方と、日本古来の死生観の考え方との違いの根深さを思い知らされていたのだ。
 倖はこの時から、ドナーの家族に同意を得ることなど出来なくなっていた。

 そんな時であった。さらなる悲劇が倖、雅治、悠一を襲った。
 悠一の後見人であった新庄が、臓器売買の件で動いていた時、偶然立花に行き当たった。暴力団と繋がりのある立花に、何故だかピンと来るものを感じた新庄は、立花を徹底的にマークした。

 時期を同じくして、警察は麻薬の密輸で南アフリカの密輸船を検挙した。その時偶然船の中から子どもが発見された。子どもは南アフリカから誘拐されてきたことが判明し、ここから立花の名前が浮上した。急転直下、立花との繋がりから吉行直人が参考人としてよばれ、妻涼子も、美佳も呼び出された。

 立花はあくまでも否定したが、あまりにも証拠が多く、逃げる事は出来なかった。
 直人は警察の聴取に、素直に犯行に加担した事を認めた。
 涼子も美佳も直人と共に罪を認めた。
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