連立の命(れんりのいのち)
連立の命(れんりのいのち)
完結
発行者:桃子(とうこ)
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ジャンル:ミステリー・推理

公開開始日:2014/11/08
最終更新日:---

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連立の命(れんりのいのち) 第9章 [《第9章》 
 その後悠一は、新庄を起訴しないように頼んだ。また、目撃情報から、姉がフラフラ赤信号が変わる直前に横断歩道へ飛び出したという証言が裏付けとなり、新庄は不起訴処分となった。
 新庄はまた、悠一の将来の為に、多額な保険金を支払い、未青年であった悠一を全面的にバックアップすることを申し出た。

 悠一は、免疫抑制剤を飲み続けてはいるものの、自分の足で歩けるようになり、その後医科大学へとすすんだ。自分のような障害を持つ子ども達のために、少しでも役に立てるよう、志保の為にも医療に関係ある職業に就きたいと考え医者の道を選んだ。

 また、雅治は、パックスの意思を継ぐべく弁護士を目指し法学部へと進んでいた。
 そして、倖はと言えば、移植医療に関わりたいと、移植コーディネーターの道を選んでいた。

 一足先に社会人となった倖は、出来る限り移植により、大勢の大切な命のリレーが行れるようにと毎日頑張っていたが、移植医療の道には険しいものがあった。
 脳死が人の死だと法律で認めらた後も、日本ではドナーの数は増える事はなかった。
 倖が自分の体験を一生懸命話しても、多くの母親はドナーになることに同意をしてくなかった。
 どの母親も、脳死で死んでいると言われても、温かい身体に触れると、どうしても納得が出来ない状況であった。
 
 移植には、理屈では片付けられない奥の深い『心の問題』がある。
 子どもや家族が脳死判定をされたドナーの家族は、悲しみのどん底にいる。
 そして、その状況の中で臓器提供の話をされることになるのだ。本当のところ、その時点で、どれほどの人が他人の命を救うなどと言う事を冷静に考えることが出来るであろか。

 本人がドナーカードを持っていた場合でも、家族にはすぐにそれを受け入れることな出来ないのが現実である。たとえ承諾してもらえたとしても、その後の辛い現実に立ち向わなければならないのだ。
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