カミさんと私
第9章 生活の音
前日より二人の娘が泊まった関係で、
私は別棟に追い出されて、
普段はカミさんが寝ているベットで目覚めました。
この一ヶ月は余り眠れず、
今朝も早く目が覚めたのですが、
どうせ起きだしても、
居間は占拠されていますので、
2度寝を楽しみました。
そのうちに階段を登ってくる足音、
「洗濯物は有るの?」
「いつまで寝ているの!」
とカミさんの声が、
古くなった床の軋む音、洗濯機が回り始める音、
椅子を引いてカミさんが座った気配、
化粧水などを使い始めた様子が感じられます。
すべてが何でもない日常の生活の音。
これが聞こえなくなる日が来るのかと思うと、
今という一瞬が堪らなく愛しく感じました。
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