キャバ嬢ケイ
第23章 切られたスマホ電源
店が終わって一目散に家に帰ると
コウジはいなかった。
すぐに電話をしてみる。
出ない。
もう一度かける。
出ない。
5分くらいして、もう一度かけた。
メールもしたが、返信がない。
だんだん不安になってきて
出るまで電話をかけ続けた。
そのうち、
電源が入っていないか、電波が届かない・・・
という機械的な声が聞こえてきた。
コウジは私からの着信に気付いているんだ。
電源を切ったんだ。
なんで?私がこんなつらい思いしてまで
コウジのために
変なおやじたちに愛想を振りケイて
ホスラブではあんなに叩かれて
なんで?
どうしてコウジ。
と
突然言いようのないとてつもない不安にかられ
過呼吸が襲ってきた。
急いで安定剤を飲む。
不安で不安で
かばんに入っていた
安定剤をいっぺんに飲んだ。
それでも不安は消えない。
もう一度かける。
電源が入っていない。
ひとりで泣き叫んだ。
こわい。
ねえコウジどこにいるの
他の女といっしょなの
ねえコウジ助けてよ
どうしようもなく不安で
過呼吸がおさまらず、救急車を呼ぼうとしたとき
コウジから電話が入った。
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