キャバ嬢ケイ
第14章 もうデパスなくなった
コウジも売り上げが少ない日は
機嫌が悪くなるようになった。
そんなコウジを見て私は
気を使うばかりだった。
「女の子ってなんでそんなにメールが好きなんかな。
送っても送っても返ってくるわ。
返さんとすぐ怒るし、ホスラブにもあることないこと書かれるし
女とおるんやろ、とか疑ってくるし。ほんまもうスマホの
ない世界に行きたいわ」
とぼやいたりすることもあった。
女とおるんやろ、と疑ってくるって
実際私といるんじゃん。
女といるじゃん。
間違ってないよ。
って思ったけどもちろん言えない。
でも黙ってる私を見てコウジははっとして
「もちろん、おまえは別やで。」
ってフォローを入れる。
そんな言葉
本気にしてなかったけど、
でも信じていた。
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