キャバ嬢ケイ
第1章 キャバ嬢になって
問題のタネは私だけど。
たぶん、普通の家庭だと思う。
別に悲劇のヒロインを装うわけじゃない。
でも、居場所がなかった。
中学くらいから渋谷とか新宿で遊ぶようになって
そこが私の居場所になった。
友達もできたし、彼氏もできた。
そのまんま、流れで歌舞伎町で
働くことになっただけ。
キャバ嬢なんて、楽だと思ってた。
他の仕事をしたことがないから
わからないけど。
いまでも楽な仕事だと思う時もあれば
もう辞めたいと思う時もある。
でも辞めることはできない。
次は風落ちするくらいしか
私には道がない。
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