小説「新・ヒトツノヒ」完全版 第一部 「沙羅と純の革命闘争編」
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発行者:銀河の薔薇
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ジャンル:恋愛
シリーズ:小説「新・ヒトツノヒ」完全版

公開開始日:2014/06/04
最終更新日:---

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小説「新・ヒトツノヒ」完全版 第一部 「沙羅と純の革命闘争編」 第3章 第2章 「The Road To The Sun」
1983年6月22日 水曜日

数日後、中村は相変わらず、喫茶「JOY」で時間を潰していた。

京都の実家にしばらく帰ることも考えた中村だったが、「授業が休みになる夏休みに帰ってきなさい、旅費はその時送るから」と電話の父親に諭されたのであった。
中村は新聞も読み尽くし、本棚に向かった。本棚にはコミックスが数百冊あった。
今まで勉強しかしなかった中村は、漫画本のたぐいは読んだことがない。
本棚の一番下の棚を見ると、コミックスに追いやられるように、サークルの同人誌や機関誌が並んでいた。中村はそこで「M学生集団」の赤い本を見つけた。
ガリ版刷りの赤い背表紙には、「The Road To The Sun」と書かれてあった。どうやら、「太陽哲学研究会サークル」が発行している機関誌であった。彼らは哲学者蒔田竜を信奉しているらしく、蒔田竜自身の哲学論文もそこに載ってあった。

「蒔田竜、聞いたことがないなあ・・・」

中村は興味を示し、赤い本を手に座席に戻った。この哲学なのか雑文なのかよく判らない蒔田竜の論文を読みふけった。蒔田だけではなく、現役学生活動家が書いた文も多数載っていた。一応、月刊誌ではあるが、実質は大きな闘争のない閑散期にしか発行されていないようだ。

いつしか日は落ち、夜になっていた・・・。
中村は次の日も、その次の日も、その赤い本に夢中になった。しかし、中村は著者の蒔田がかつてのM学生集団の最高責任者であった事はまだその時知らなかった・・・。


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