花屋の立ち退きを阻止して下さい
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発行者:海原 灯
価格:章別決済
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ジャンル:ファンタジー
シリーズ:メトセラの仲間たち

公開開始日:2014/04/18
最終更新日:---

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花屋の立ち退きを阻止して下さい 第1章 来訪者
 そこへ、
「お嬢さん、お初にお目にかかります。さ、どうぞ」
と、いつからそこに居たのか、石で敷き詰められた細長い地下道の中腹にある、依頼者用の部屋の前に、1人の男性が立っていた。ドアを開けると、入るようにと手で促してくれる。
 アルファロじゃ、なかった。
 とても紳士的な所作振るまいだが、眼光が鋭すぎる。でも、嫌な気はしない。こちらには敵意はないが、なんだろう…、どうにも血生臭さが鼻をついた。
 年は30代前半だろうか。銀色に光る甲冑のようなものを身に付けており、それはまるで…、まるで…。
────────── 騎士!?
 脱いだ冑を小脇に抱えた彼は、近づくにつれ、鋭い眼光を少々緩め、自分の娘のようだと、可愛らしいセリエルに微笑みかけてくれた。
────────── 怖く…ない。
 きっと、幽霊なんだろう。実体がそこに無いことは、セリエルにも判った。
────────── さっきの、青い焔の幽霊かな…。
 上目遣いに彼を見た後、お辞儀して、一旦は部屋の中へと足を踏み入れたセリエルだったが、部屋の中には、アルファロのみが、その書斎のテーブルに腰かけて、腕組みしていた。気難しい表情の先には、依頼者の姿はない。振り返ると、そこには、ドアの側には、もう騎士の姿はなかった。
「えっ!?」
 驚いて、前に向き直ると、そこには、居なかったはずの依頼者の姿が…今ここでドアを開けてくれた騎士の姿が、そこにあった。椅子に腰かけて、両足に両腕の肘をつき、手を組んでいる。セリエルと目が合うと、彼はまた面白そうに笑いかけてくれた。
 目が回りそうになった。
 どうやって、先に入ったセリエルよりも、早く部屋の中へと入り、椅子に腰を下ろしたのか!?
────────── やっぱり、幽霊…!!
 テーブルにお茶をセッティングすると、セリエルは一礼してから、いそいそと退室した。そのセリエルを暖かい眼差しで見送ってから、騎士の口が開く。
「良い子だな…。お前がこっちに帰ってきたのは、あの子が原因か」
 そうじゃないとばかりに、アルファロは首を振ったが、騎士にはお見通しだった。
「嘘つけ。オレのことが見えてたぞ。オレが実体を持たない魂だってことも、見破ってた。そりゃ、怖いはずだ。この部屋に来るの」
3
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