花屋の立ち退きを阻止して下さい
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発行者:海原 灯
価格:章別決済
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ジャンル:ファンタジー
シリーズ:メトセラの仲間たち

公開開始日:2014/04/18
最終更新日:---

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花屋の立ち退きを阻止して下さい 第1章 来訪者
 それでもアルファロの腕の袖をギュッと掴んで、懸命に引っ張り、彼の注意を引こうとした。
「なんとかしてよぉぉおおっ!!」
 涙ながらに訴えるセリエルに、アルファロは、くっと、地獄の笑みをその口元に刻む。
「気に入られたんだろ。その幽霊に。良かったな」
「うわあああぁぁぁぁぁ…」
 目を逸らし、やめてよぉぉぉおお!! と、セリエルは顔をしかめた。
────────── 怖っ、怖すぎるっ…!!
 怒って、怒鳴り込みに来たものの、アルファロは意に介さず、またもや、
「お茶、用意しろ。下な」
とだけ指示されてしまった。しかも、すでに仕事の顔になっている。頭を切り替えるのが早いということは、幽霊と聞いた時点で、依頼者だと察知したのだろう。気分が優れなかった理由が、これでよく解ったと。
 地下を通じて依頼者用の部屋に来訪するようにとセッティングしたのに、イレギュラーが来た。
「それから、オレも、コーヒー頼む」
 そう注文をつけて、部屋から出て廊下へと歩き出したアルファロだったが、不意に、廊下の右手にある窓の桟をスッと指でなぞると、そこに溜まっていた埃を取った。振り返って、ニタッと笑うと、こちらにそれを見せつける。
「掃除もしろよ」
 やり込めて、してやったりのアルファロは、そのまま階下へと降りていった。薄暗い廊下に1人で残されることを嫌がり、慌てて後を追ったセリエルだが、
───────── なんで、あたしが、こんな朝っぱらからっ…!!
と、むくれはするものの、屋敷に置いてもらっている以上は、命令には逆らえない。寒さに震えつつも、1階でアルファロと別れ、キッチンへと向かった。急いで紅茶を用意して、
────────── いーやーだー!!
と、歯軋りしながらも、地下へと続く、冷たくて固い石段を降りていく。今時珍しい、松明の炎で照らし出された地下道は、薄気味悪さが頂点を極めていた。
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