壱の魔術
壱の魔術

発行者:川犬
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ジャンル:ファンタジー

公開開始日:2010/08/07
最終更新日:2010/08/11 23:38

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壱の魔術 第2章 第1章 梅雨前線停滞中-1

「な、なによ」

「……お前は誰かと話をしたりしないのか」

 そんな質問にマイは虚(きょ)を突かれた様できょとんとしている。

「今までの学校もそうして誰とも会話をしなかったのか?」

「な、そんなわけないじゃない。それに私はまだ転校してきて1日もたっていないのにどうやって友達作れと言うの」

 おそらく、こいつは前の学校でも友達が少なかったと思うな。誰でもそう思うだろう。何せこいつは不機嫌(ふきげん)オーラを常に発して周囲のものを近づけさせないような雰囲気を醸(かも)し出している。それのせいで、未だに誰もこいつに話しかけてこない。身長も低いしな。あ、それは関係ないか。

「そうか?俺の感覚だと普通、転校生がきたその日にはいろいろなやつが興味シンシンで話しかけるようなものだと思うのだが。……俺が友達にでもなってやろーかぁー??」という感じで、わざとらしくからかうような口調(くちょう)で言った。

「う、うるさいうるさいうるさい!」

 パクるな。あと、そのネタは知っている人と知らない人がいるから。

「もうどっかいってくる!」

 このお嬢様は、無理やり話を切り上げると、席からいきなりバッと立ち上がり、ぶつぶついいながら去って行った。その時のそいつの横顔は、不機嫌そうだったがほんのり紅潮(こうちょう)していた。

 はて、フラグがたったのか。……というより、いつ俺はそんなフラグを立てるようなことを言った。言っていない……と断言できる。いや、断言する。ということは、そっちのことであいつは、顔を紅潮させたのではなく、ただ単にあのちょっとした口論(こうろん)だけで疲れて紅潮させたのだろうか。そういうことになると、あいつの体力が心配だな。あいつは体育が苦手だ。…そんな気がする。

 そんなわけで、俺も暇になってしまったので、席から立ち上がり、なんとなーく廊下のほうへ移動してみた。
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