壱の魔術
第2章 第1章 梅雨前線停滞中-1
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教室に戻ると、マイの自己紹介が終わっていて俺の後ろに空いている席に座っていた。俺の言ったことをなぜか聞いてくれたようだ。変わったやつだな。
まあどうあれ1時限目。まず違和感を感じた。なんだろう。俺の後ろの席からものすごい負のオーラがナイアガラの滝のようにびんびん降り注いでくる。それもそのはずだ。後ろにはマイがいてさっきから機嫌をものすごく悪そうにしているからだ。それ以外の理由なんて何もない。あってはならない。あるはずがない。あるわけがない。
次に俺の椅子がたまに誰かに蹴られる。もちろん後ろから。
最後に、ハジメシネシネシネ……と呪いのお経が聞こえてくる。ああ、寿命が縮んだよ。たったの0,00000001秒な。
とりあえず、なんだか授業も後ろが気になって集中できないので、1時限目終了時に速攻後ろを振り向いた。ばっと振り返るとマイが軽く肩を反射的に動かす。
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