桜花飛翔
桜花飛翔
成人向
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2010/08/12
最終更新日:2010/11/10 12:18

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桜花飛翔 第1章 芽生える桜―wakes up―
「伊那だったな。裏世界に巻き込まれたくなかったら目を瞑り耳を塞げ。俺が肩を叩くまでだ」
 伊那は言われた通りにする。榊の体が伊那から離れ、冬なのに暑さを感じた。それはすぐに治まり、断末魔のような風が伊那に針の如く突き刺さる。固く目を閉じ飛ばされないように踏ん張る。
 風と嫌な感じが消えていく。
 肩を二度軽く叩かれた。伊那はゆっくりと耳から手を退け目を開く。辺りは静けさを取り戻し、寒さが体を震わせる。空中のひびも消えていた。
 あまりの変化に目を丸くさせる。そんな伊那が可笑しかったのか、榊は笑い出す。一気に疲れが押し寄せ地面に座り込む。その横に榊も座った。
 再び静寂が訪れる。話しかけようと榊の方を向くが、月明かりに照らされる横顔の綺麗さに見とれてしまった。手に残る温もりが先程までの出来事を思い出させる。自分でも分かるほど鼓動が早い。体を抱き寄せた腕の力強さ、鍛えられた筋肉の感触。思い出すほど顔が赤面していく。
「大丈夫か? 顔が赤い」
 榊のひんやりとした手が額に当てられる。無意識に体が跳ね上がり、恥ずかしくなって俯く。
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