Memory~銀色の月に愛された狼~
第1章 プロローグ
「あっ!! そうだ」
「美桜ちゃん、どうしたの?」
「綾さん、ちょっとお聞きしたいことがあるんですけど……」
「なぁに?」
「この前、蓮さんと繁華街にいる時、綾さんのお友達にお会いしたんです」
「友達? 誰かしら?」
「蓮さんは“ヒロさん”って呼んでたんですけど……」
「あぁ、もしかして銀狼の事?」
「そうです!!その人です」
「そっか~。銀狼と会ったんだ。……そう言えば、蓮がそんなことを言ってたような……。それで聞きたい事ってなぁに?」
「……あの……」
「うん?」
「銀狼さんとの想い出話を聞かせてください!!」
「えっ?銀狼との想い出話?」
「はい!!」
「聞きたいの?」
「はい!!」
「そっか。うん、分かった。良いわよ」
綾さんは優しい笑みを浮かべると懐かしそうに話してくれた。
綾さんにとって親友である2人の恋のお話を……。
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