Shine~Masato & Hina story~
第10章 エピソード9
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私の部屋のキッチン。
そこでお鍋の材料の白菜を切る私と、それを物珍しいものを見るように眺めるマサト。
あまりにもマジマジと見つめられているから、なんだか緊張してしまう。
私の手元を見ていたマサトが感心したように呟く。
「・・上手いもんだな・・・。」
・・どうやら私はお褒めの言葉を頂いたらしい・・・。
でも、私は白菜を適当な大きさにザクザクと切ってるだけで、別に褒められる様な事はなにひとつしていない。
もしかしたら、マサトは私に気を遣ってお世辞を言ってるのかもしれない。
そう思った私は、すぐそばに立っているマサトの顔を見上げた。
そこで私の手元を見つめてるマサトはとてもじゃないけどお世辞を言ってるような感じではなく
どちらかと言えば心底、感心してる風だった。
マサトに褒められた私は無性に照れくさくなってしまった。
大体、私は今まで他人に褒められた経験が殆どない。
だから、こんな時どんな反応をすればいいのかが分からなかったりする。
・・何か言わないと・・・。
・・この沈黙が続くと余計に照れくさくなってしまうような気がする・・・。
そう思った私は軽くパニくりながら
「・・恐れいりまする・・・。」
変な日本語を口走ってしまった。
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