Shine~Masato & Hina story~
第10章 エピソード9
不思議に思いながらマサトの視線を辿り振り返ると、そこには会計を待つお客さんの長い行列が出来ていた。
「お前は財布を出すな。」
「へっ?」
「ここで、また財布の中身をぶちまけたら大変だろ?」
「そ・・それはそうだけど・・・。」
「ここは俺が出すからお前は大人しく待っててくれ。」
「・・・。」
「分かったな?」
大きなマサトの手が伸びてきて、私の頭をポンポンと優しく撫でた。
マサトの口調と行動はまるで幼い子供に何かを言い聞かせるような感じで・・・。
私の方がマサトより年上なのに・・・。
明らかにガキ扱いされてる!!
そう気付いてしまったけど、ついさっきまでドジな事を何度もヤラかしてしまってる私は
「・・うん・・・。」
渋々と頷くことしか出来なかった。
◆◆◆◆◆
会計を終えたマサトと私はスーパーを出て、すぐにタクシーに乗った。
お金まで払ってもらったんだから荷物持ちぐらいしようと思ったんだけど
マサトは私にそれすらもさせてはくれなかった。
紳士的と言えばそうなのかもしれないけど・・・。
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