Shine~Masato & Hina story~
第9章 エピソード8
「好きな食べ物も嫌いな食べ物もたくさんある。」
「・・・。」
「・・・。」
「・・だからそんなに驚いてるのか?」
「う・・うん・・・。」
「なるほどな。」
マサトは納得したように小さく頷いた。
私は初めて会った。
好き嫌いが全くない人と・・・。
誰でも一つくらい好きなものや嫌いなものがあると思ってた。
それが普通だと思ってた。
・・それなのに・・・。
今、私の目の前にいる厳つい顔のこの人は、好き嫌いが一つもないと言う。
自分の中の常識を覆された私はカルチャーショックを受けたような気分だった。
「・・ねぇ、マサト・・・。」
「うん?」
「昔から好き嫌いがないの?」
「そうだな。」
「なるほど・・だからか・・・。」
「・・・?」
「好き嫌いがないからそんなに大きく成長したんだね。」
「・・・。」
「・・・。」
「・・それはあんまり関係ねぇーと思うけど・・・。」
「そうかな?」
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