Shine~Masato & Hina story~
第9章 エピソード8
「・・・?」
突然、大きな声を出した私にマサトは不思議そうな表情を浮かべた。
「お鍋!!」
「鍋?」
「うん!!最近、無性にお鍋が食べたかったんだけど1人だとできなくて我慢してたんだ。マサトはお鍋好き?」
「・・嫌いじゃねぇーけど・・・。」
「けど?」
「この時期に鍋って暑くねぇーか?」
「・・あっ・・・。」
・・確かに、今の時期にお鍋は暑いかも・・・。
お鍋って真冬に食べるものだし。
ガックリと肩を落としていると
「・・まぁ、この時期の鍋もいいかもしれねぇーな。」
明らかに私に気を遣ってる感じのマサト。
「今日じゃなくても、いいよ!!冬になって食べればいいんだし!!」
慌てて口を開いた私の頭をマサトはその大きな手で優しく撫でた。
「食いもんは食べたいと思った時に食うのが一番上手いんだ。」
「えっ?」
「だから、食いに行こうぜ。」
「・・いいの?」
「もちろん。」
マサトの言葉に私は嬉しくなった。
「じゃあ、材料買ってウチでしようよ!!」
「・・はっ?」
・・なに?
・・なんでマサトはこんなにビックリしてんの?
「どうしたの?」
「・・いや・・今、『ウチで』って言わなかったか?」
「えっ?・・うん、言ったけど・・それがどうかした?」
「・・・。」
「・・あっ!!大丈夫だよ。」
「大丈夫?なにが?」
「私、1人暮らしだから誰かに気を遣う必要なんてないし。」
「・・・。」
「ワンルームだから、広くはないんだけど、それでもゆっくりはできると思うよ。」
67