Shine~Masato & Hina story~
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発行者:桜蓮
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2014/02/10
最終更新日:2014/02/15 23:17

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Shine~Masato & Hina story~ 第5章 エピソード4
慣れないハイヒールで足が痛くなっても、バランスを崩して足首を捻っても私はハイヒールを履く事を止めなかった。

15cmヒールのサンダルを履いた私でさえその人の顔を見る為にはかなり上を向かないといけない。

固まる私にゆっくりと近付いてきたその人は私の目の前で足を止めた。

……確かに……。

地面に腰を下ろしている時も、でかいとは思った。

……でも……。

こんなにでかいとは……。

「送っていく」

その人の声が頭上から降ってきた。

「えっ?」

その人の表情が見えない私は、一歩後ろに下がって首が痛くなるくらい上を見上げた。

私の視界になんとか映ったその人の表情は……普通だった……。

別に社交的でもないし、下心があるようにも見えない。

……かと言って、面倒くさそうでも、嫌そうでもない……。

「あ……大丈夫です」

「は?」

「まだ、時間も遅くないし、人もたくさんいるんで……」

「……」

「……」

その人は私の顔を黙って見下ろしていた。

「……分かってねぇーな」

その言葉は独り言のように呟かれた。

「……?」

首を傾げる私を他所にその人は私を追い越して歩き出した。

『行くぞ』とも『早く来い』とも言わないその人。

ゆっくりと路地からメインストリートの方へ歩いている。

その広い背中を見て私は思った。

……私を送る事を諦めてくれたんだろう……。

だから、私はその人から数歩遅れて歩き出した。

この路地を出たら、多分もう会うことはない。

私達はそれぞれが人の波に飲み込まれるように消えていくんだ。
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