Shine~Masato & Hina story~
第15章 エピソード14
この繁華街に来る度に目に付いたキラキラと輝く街や人の笑顔。
それが今もあの頃と同じように輝いて見えているのだろうか?
この街の住人になれば私もきっと輝けると信じていた。
果たして今の私は輝いているのだろうか?
両親の反対を押し切ってこの街に越してきた私の判断は正しかったのだろうか?
どんなに考えてみても
今の私にはその答えを見つけることは出来ない。
ただ1つだけ言えることは
あんなに輝いて見えたこの街が“あの瞬間”
から急に色を失ったという事と
心の中に大きな穴が空いているような喪失感があるという事だけ・・・。
それを私は必死で隠そうとしていた。
ただ失恋っていう慣れない出来事に頭や心が着いていけてないだけ。
だから、ある程度時間が経てば前と同じようにこの街が好きだと思えるようになる。
・・・そう自分に言い聞かせていた。
◆◆◆◆◆
「・・・はぁ・・・」
私の口から漏れたのは今日何度目か分からない溜息だった。
今日だけじゃなくて最近ずっと・・・。
もう癖になりつつある私の溜息。
そんな癖なんて持ちたくないって思うのに
頭と身体は全く伴っていない行動を繰り返す。
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