Shine~Masato & Hina story~
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発行者:桜蓮
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2014/02/10
最終更新日:2014/02/15 23:17

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Shine~Masato & Hina story~ 第15章 エピソード14
なにはともあれ、この時間帯の勤務は私にとっては好都合だったりする。

平日の昼間限定の時間帯って事はマサトに会う確率がかなり低い。

授業は受けないけど、毎日学校には行っているらしいマサトは私が勤務中に繁華街にはいない。

朝は学生が登校した後に出勤するし

夕方、帰る時も学生の姿はまだ少ない。

バイトを終え、帰宅途中にマサトとバッタリ会ってしまうなんてハプニングもまだ起きてはいない。

・・・っていうか、もしかしたらそんなことを私が気にする必要はないのかもしれない。

マサトにとって私の存在がどれほどのものかは分からないけど・・・。

マサトは私の事なんてもう気にすらしていないかもしれない。

面倒な送り迎えをしなくてよくなったと清々としているかもしれない。

ようやく解放された私の送迎の時間を彼女と過ごす時間に充てられるようになって喜んでいるかもしれない。

それにケイタイの番号も思い切って変えて正解だったような気もする。

突然、繋がらなくなったケイタイは

優しくて律儀な性格のマサトが私の送り迎えから解放される十分な理由になったに違いない。

それに、もし前と同じ番号だったら私はズルズルとマサトからの連絡を待っていたと思う。

待っているくせに掛かってきた電話に出ることも

送られてきたメールを読むことや返信をすることも出来なかったと思う。

自分の性格は誰よりも自分が分かっているつもりだ。

私は弱くて狡い。

だから、私は自分の行動が正しかったと断言できる。

バイトを終え、家へと向かう帰路。

陽は西へと傾き、今日の最後の役目とばかりに繁華街を茜色に染める。

そんな繁華街を眺めながら私は足早に家へと向かう。

また、いつかこの道を私はのんびりと歩く事ができるのだろうか・・・。

そんな事を考える私は、この繁華街が本当に好きなのだろうかと思う。

あんなに憧れていた繁華街。

この街に住むことだけを強く願い仕事を掛け持ちして頑張った2年間。

それは本当に無駄じゃなかったと

私は自信を持って断言できるのだろうか?
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