Shine~Masato & Hina story~
第15章 エピソード14
小さく深呼吸をして気持ちを落ち着かせる。
「…今までありがとうございました…」
小さな声で呟いてから、私は微かに震える指で送信ボタンを押した。
“送信しました”の文字を見た瞬間
私の瞳からは一粒の涙が零れ落ちた。
マサトに最後のメールを送ってすぐに私はケイタイの電源を切った。
それからすぐに私はケイタイのショップに向かった。
新しいケイタイを買って番号とアドレスを変えた。
今まで使っていたケイタイはデーターを全て消去してショップの人に処分してもらった。
新しいケイタイのアドレスには必要最低限の人だけを登録してもらった。
私が無意識のうちに選んだケイタイは淡いオレンジ色のケイタイだった。
そのケイタイがマサトにもらったハンカチと同じ色だと私が気付くのはもう少し後の事だった。
◆◆◆◆◆
翌日からまた私の生活はマサトに出会う前と同じようにバイト一色の生活に戻った。
朝8時に起きて、準備をして10時に出勤。
開店前に掃除をして飲み物や食べ物の補充をして開店が11時。
平日の昼間はお客さんは少ないけど、事務的な仕事が多い。
アルコールや軽食の在庫を確認して、足りないものを発注したり
忙しい夜間には出来ない掃除をしたり、カラオケ機器のメンテナンスをしたりと仕事の内容は違うもののやるべきことはたくさんあった。
そして16時に私の勤務は終了する。
病欠後、初出勤日に店長に会った。
その時に新しいケイタイの番号が代わった事を告げると
「何かあった?」
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