Shine~Masato & Hina story~
Shine~Masato & Hina story~

発行者:桜蓮
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2014/02/10
最終更新日:2014/02/15 23:17

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Shine~Masato & Hina story~ 第13章 エピソード12
その言葉を

「ゆっくり話もしてぇーし」

私は飲み込み

「うん」

頷いた。

それを見たマサトは、ポケットからタバコの箱を取り出した。

口に咥え、慣れた手付きで火を点ける。

宙に向かって吐き出された煙がフワフワと舞う。

頼りなく漂い消えていくその煙を私はボンヤリと眺めていた。

タバコを吸いたいとは思わない。

実家に住んでいる時、お父さんが吸うタバコの匂いが私はあまり好きじゃなかった。

近くで吸われると煙いし、髪や洋服に匂いが染み付くようで嫌だった。

だから、21年間生きてきて1度だってタバコを吸いたいと思ったことはないし、興味を持ったことだってない。

好きか嫌いかと言えば間違いなく嫌いな筈なのに

マサトが吸うこのタバコの香りにはなんでか気持ちが落ち着いていくような気がする。

お父さんが吸うタバコの匂いはあんなに嫌いだったのに…。

マサトが吸うタバコの香りは嫌いじゃない。

なんでだろう?

そんな事を考えているうちに、マサトの指に挟んでいるタバコは短くなっていた。

マサトはそのタバコの火を足元で揉み消し、近くにあったゴミ箱に投げ捨てた。

綺麗な弧を描いて、ゴミ箱に収まった吸い殻。

それを見ながら私は思った。

うん、やっぱり。

マサトは絶対に吸い殻を道に捨てたりしないと思っていた。

別に理由はないんだけど、なんとなく私はそう思っていた。

繁華街にはたくさんのゴミが落ちている。

空き缶や紙くずやいかがわしいお店の広告…・

その中にはもちろんタバコの吸い殻も含まれている。

日中には清掃会社の人がお掃除をしてくれているにも関わらず、この街からゴミがなくなることはない。

それは、常にゴミを道に捨てる人がいるって事で…。

偏見かもしれないけど、マサトだってその風貌だけを見ればタバコの吸い殻を捨てそうなかんじなのに、
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