Shine~Masato & Hina story~
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発行者:桜蓮
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2014/02/10
最終更新日:2014/02/15 23:17

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Shine~Masato & Hina story~ 第13章 エピソード12
腰の周りに感じるマサトの腕の感触。

その感触にとてつもなく安心感を覚える。

「立てるか?」

頭上から聞こえてくるその低い声に

「…無理っぽい…」

申し訳なく思いつつ答えると、マサトは辺りをぐるりと見渡した。

その視線を辿るように私も視線を動かして、ようやく気が付いた。

ここが繁華街のメインストリートだって事に…。

深夜だとは言っても、時間帯に関係なくここは人が多い。

道のど真ん中で立ち止まっているだけでも、他の歩行者には迷惑なのに

実情は違うにせよ、抱き合ってイチャついているように見えなくもない私とマサト。

そんな私達に歩きながらも痛いくらいの視線を向けてくる人達。

その視線に耐えられなくなった私が、力の入っていない足になんとか力を入れようとしたのと

腰に回されている腕に力が籠められ、私の身体が宙に浮くのは同時だった。

「…あれ!?」

状況が飲み込めず、挙動不審になる私に

「動くなよ?」

マサトの低い声が降ってくる。

「マ…マサト!?」

「落ちて怪我したくねぇなら大人しくしてろ」

いとも簡単に私の身体を抱き上げたマサトは器用に人の波を避けながら道の端へと歩いていく。

そして、私が降ろされたのは歩道と車道を仕切るガードレールの傍だった。

そのガードレールに腰かける様な状態で降ろされた私は、目の前に立つマサトの顔を見上げた。

私の視線に気付いたらしいマサト。

「大丈夫か?」

「う…うん」

「この後、なんか用事はあるか?」

「ううん、別にない」

「それなら、少しここで休んで行こうぜ」

「え?」

マサトは忙しいんじゃないの?

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