Shine~Masato & Hina story~
第12章 エピソード12
そんな店長を筆頭に昨日より多い人数で組んであるシフトのお陰で、自分を見失う事なく順調に時間は過ぎていく。
そして、業務に没頭していた私は
「お疲れ様、あがっていいよ」
店長に声を掛けられた。
ふと壁に視線を向けると日付の変わる10分前だった。
昨日とは違い、受付カウンター内には張り詰めた空気もなく、スタッフ達には営業スマイルを浮かべる余裕もあった。
私はその様子を見て、気を遣う必要もなく
「お先に失礼します」
スタッフルームへと向かうことができた。
そんな私に掛けられるのは
「お疲れ様~」
和やかな幾つかの声。
その声に見送られ私は今日の勤務を終えた。
スタッフルームに入った私は自分のロッカーを開け、制服から私服に着替えた。
一応、テーブルの上にあるシフト表に目を通し翌日の勤務時間を確認してスタッフルームを後にする。
スタッフ専用の通路を通り、裏口から外に出ると
今日も繁華街特有の賑やかな雰囲気に包まれる。
お腹空いた。
コンビニでお弁当でも買って帰ろう。
そんな事を考えながら、私はメインストリートに溢れる人の波へと足を進める。
バッグからケイタイを取り出し、着信の有無を確認した。
残念というべきか
やっぱりというべきか
着信履歴はバイトに入る前と全く同じだった。
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