Shine~Masato & Hina story~
第12章 エピソード12
マサトと一緒に食事をしたその日。
マサトが帰ってから後片づけをして、シャワーを浴び、ベッドに入った。
いつも以上にバイトは忙しかったし
怖い男の子達にカラまれて繁華街を全力疾走したりしたし
マサトと一緒にご飯を食べ、お酒を飲んだりしたし
知らなかったマサトの事もたくさん知ったし
そんないつもと違う非日常的な1日に私は自分が思う以上に疲れていたのかもしれない。
ベッドに横になった瞬間に、私は泥沼に引きずり込まれるように眠りに落ち、意識を手放した。
意識を手放す瞬間に
「ヒナ」
私の名前を呼ぶ、低くて甘いマサトの声が聞こえたような気がした。
◆◆◆◆◆
深い眠りから醒めた時、部屋の中には明るい陽が燦々と差し込んでいた。
ぐっすりと眠ったお陰で、身体はもちろん気持ちも清々しかった。
まだ視点の定まらない瞳を擦りながら、枕付近に手を延ばすと
指先に当たるのは、扱い慣れたケイタイ。
それを手に取り、液晶を覗き込んだ私は時間を確認した。
15時28分。
眠りに就くのが遅かったとはいえ、寝すぎたかもしれない。
軽く12時間近くも眠っていたらしい。
・・・寝すぎた・・・。
ベッドの上で手足を伸ばし大きな欠伸をした私は、もう1度ケイタイを覗き込んだ。
画面にはメール1件の文字。
受信ボックスを開いてみると、そのメールはマサトからだった。
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