Pure Heart~葵とケンの物語~
第3章 雲の上にある太陽
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学校から繁華街を通り、家へと帰る。
私の自宅は聖鈴からすぐ近くで歩いて通学できる範囲内にある。
今日もたくさんの人で賑わっているメインストリートの端っこを歩く私の足取りはとても重いものだった。
それはもちろんさっきのアツシとのやりとりが原因で・・・・・・。
なんで私があんなことを言われないといけないのか?
どう考えても悪いのは浮気を繰り返すアツシなのに……。
アツシは私が神宮先輩達を見ていたって言うけど、誰だってあんなに大騒ぎになっていたら視線を向けてしまうに違いない。
それに、私が笑っていたのは先輩達にじゃなくて莉央に笑い掛けていただけだし。
勘違いもいい加減にしてほしい。
そんな事ばかり考えていたら、いつの間にか私は自宅の前に立っていた。
気分を入れ替える為に深呼吸を一つして、私はスクールバッグの中から鍵を取り出して玄関の施錠を解く。
ドアを開け、中に入ると靴が2足並んでいた。
一足は私より1歳下の弟、海斗の靴。
そして、もう一足は見慣れない男物の靴だった。
海斗が友達でも連れて来ているのかな?
見慣れない靴だったけど、大して気にも止めていなかった私は、その靴を横目に自分が履いていた靴を脱ぎ、家にあがって、自分の部屋へと向かう。
2階建ての我が家は、両親の部屋が1階にあり
私と弟、そして姉の部屋が2階にある。
玄関から階段へと続く廊下を歩き、突き当たりを曲がろうとした時
視界が急に暗くなり
「うおっ!!」
聞きなれない声が頭上か落ちてきた。
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