Pure Heart~葵とケンの物語~
Pure Heart~葵とケンの物語~

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発行者:桜蓮
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ジャンル:恋愛
シリーズ:Pure Heart~葵とケンの物語~

公開開始日:2014/02/10
最終更新日:2014/02/15 17:43

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Pure Heart~葵とケンの物語~ 第11章 暗闇
アツシと並んで座ったベンチ。

聞えてくる人の声や笑い声。

公園の敷地外からは車のエンジン音やクラクションの音が聞こえてくる。

この公園のシンボルとも言える噴水は、ライトアップされ噴き上がる水を妖艶に映し出す。



いつもと変わらない公園の光景に

私の心臓はバクバクと大きな音を立て

握り締めた手には汗が滲む。

動悸が激しい所為か息苦しさを感じる。



それでも私はなんとか冷静さを保っていた。

気を緩めると、頭の中にあの日の出来事が浮かんでしまう。

まだ、鮮明に覚えているそれは容易に私をパニック状態に誘う事を私は嫌ってほど理解していた。

「ほら」

優しい声音と共に差し出されたそれは、ここに来ると途中にケンさんが自販機で買ったペットボトルのお
茶だった。

「あ……ありがとうございます」

ずっと握り締めていた手を漸く解き、差し出されたペットボトルを受け取る。

熱を持っていた指先に心地いい冷たさが伝わってくる。

隣に腰を降ろしたケンさんは炭酸飲料のペットボトルの蓋を開けると勢いよくそれを喉に流し込んだ。

そんなケンさんにつられるように私もペットボトルの蓋を開けようとした。


……だけど、最近ご飯を食べていなくて力が入らない所為か……。

それとも手が汗ばんでいる所為か……。

いつもは難なく開けられる蓋が開けられない。

出来る限りの力を指先に込めてみるけど

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