Pure Heart~葵とケンの物語~
Pure Heart~葵とケンの物語~

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発行者:桜蓮
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ジャンル:恋愛
シリーズ:Pure Heart~葵とケンの物語~

公開開始日:2014/02/10
最終更新日:2014/02/15 17:43

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Pure Heart~葵とケンの物語~ 第11章 暗闇
「……?」

「靴ぐらいはゆっくり履いてきてもいい」

「え?」

何気なく、自分の足元に視線を落とした私は

「……!!」

声にならない悲鳴をあげてしまった。

右足には自分のサンダル。

左足にはお母さんのサンダル。

色もデザインも全く違うものをそれぞれの足に履いていた。

……恥ずかしすぎる……。

自分の間抜けさに私は眩暈を感じた。

「履き替えて来い」

「……はい」

必死で笑いを我慢しているケンさんにムカついて仕方がない。

だけど、その原因を作ってしまったのが自分なんだから怒るに怒れない。

ぶつけようのない怒りを必死で押し殺し、私は再び玄関へと向かった。

この時、私は全く気付いていなかった。

必死で笑いを堪えていると思っていたケンさんが

実は、悲しそうな瞳で私の背中を見つめていたことを……。

◆◆◆◆◆

左右同じサンダルに履き直した私は、玄関にある全身が映る鏡で、おかしい所がないか入念にチェックを
してから

漸く、外へと出た。

さっきよりもずいぶん時間が掛かってしまったにも拘らずケンさんはずっと待っていてくれたらしく

一歩もそこを動いてはいなかった。

「……お待たせしました」

自然と声が不機嫌になってしまうのは、仕方がないと思う。
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