Pure Heart~葵とケンの物語~
Pure Heart~葵とケンの物語~

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発行者:桜蓮
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ジャンル:恋愛
シリーズ:Pure Heart~葵とケンの物語~

公開開始日:2014/02/10
最終更新日:2014/02/15 17:43

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Pure Heart~葵とケンの物語~ 第11章 暗闇
カーテンを閉め切った部屋。

薄暗い室内で、私はボンヤリと自分の手首を眺めていた。

手首に残るのは、だいぶん薄くなった痕。

赤く蚯蚓腫れになっていたそれは次第に青みを増していき紫色になったと思ったら、ちょっとずつ薄く
なっていった。

今では、近くでよく見ないと分からないと指の痕とは分からないくらいになった。

痣は時間を掛けて治っていくけど……。

あの時に感じた恐怖心と屈辱感は時間が経つにつれて大きく膨れ上がり、心に大きな傷を残した。

あの日以来、なにもする気になれず私は部屋に閉じこもっている。

食欲も無く

学校に行く気にもなれず

ただボンヤリとしているだけ……。

部屋を出るのはシャワーを浴びる時とトイレに行くときだけ……。

ずっと薄暗い部屋にいる所為か

時間の感覚も狂ってしまったようで

今日が何日なのか

あれから何日が過ぎたのかさえ

はっきりとは分からない。

いつまでもこうして部屋に閉じこもっていてもダメだって

頭では分かっているけど

身体がいう事を聞いてくれない。

お腹も空かないし

何もする気になれず

病気って訳じゃないのに身体がダルイ。

だからずっと私はベッドに横になったまま。

時々、ウトウトしてはあの日の夢を見ては飛び起きる。

夢の中で別れ話を切り出した私をアツシの大きな手が追いかけてくる。

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