コトダマ~The Story of Ayu & Hikaru~
コトダマ~The Story of Ayu & Hikaru~
完結
お礼23
発行者:桜蓮
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2014/02/09
最終更新日:---

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コトダマ~The Story of Ayu & Hikaru~ 第15章 負った傷
桃香ちゃんと葉月ちゃんは集中治療室の前で足を止めた。

「うん」

私は2人に向かって小さく頷くとシュウさんと一緒にヒカルがいるらしいそこに足を踏み入れた。

指定の白衣に着替え帽子とマスクを身に着けた私達は、エアーシャワーを浴び、手を洗い念入りに消毒をしてそこに入った

カーテンで仕切られたそこは機械の音とスリッパを履いた私達の足音だけが響いていた。

シュウさんは慣れた足取りで奥へと進んでいく。

その後ろを着いていく私の足取りはとても重かった。

一刻も早くヒカルに会いたいと想う気持ちと会うのが怖いと想う気持ちが私の中で葛藤していた。

命には別状はないらしい。

でも、ヒカルは今現在意識がない状態で

いくら、手加減はしたって聞いても、私にはそれがどのくらいのケガなのか想像すらつかなかった。

「ここです」

シュウさんは、そう言って閉まっていたカーテンを開いた。

心臓がドキドキと大きな音を出す。

手足が震えて思うように動かない。

そんな自分を必死で奮い立たせて、私はカーテンの中に足を踏み入れた。

「……ヒカル……」

ベッドの上でたくさんのチューブや点滴に繋がれ眠っていたのは紛れもなくヒカルだった。

もっと包帯がグルグルに巻いてあって、ヒカルかどうか分からないくらいに顔も腫れていると思っていたけど・・・。

ヒカルの顔は綺麗なままだった。

頬にかすり傷があって口の端がちょっとだけ切れてはいるけど、それ以外に大きな傷は見当たらなかった。

ヒカルに近付いた私は、額に掛かっていた前髪をかき上げた。

「……ヒカル……」

ヒカルの顔を見て安心した所為か、私の瞳からはポロポロと涙が溢れた。

私の頬を伝った涙は、ヒカルの頬に零れ落ちた。

「アユさん、大丈夫ですか?」

心配そうに声を掛けてくれるシュウさん。

「ごめんなさい。なんか安心しちゃって」
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