コトダマ~The Story of Ayu & Hikaru~
コトダマ~The Story of Ayu & Hikaru~
完結
お礼23
発行者:桜蓮
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:恋愛

公開開始日:2014/02/09
最終更新日:---

マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
  • お礼1
コトダマ~The Story of Ayu & Hikaru~ 第15章 負った傷
私は心配性のママに苦笑してしまった。

その日の夕方。

いつもより早く帰ってきたパパとやっぱりどこか心配そうなママに見送られて、私は塾に行く為に家を出た。

パパが「ママには内緒だよ」と言ってこっそりお小遣いをくれた。

ママは私が家を出る寸前まで心配そうにしていた。

そんな2人に私は言った。

「旅行だと思ってたまには、2人で楽しんでおいでよ」

私の言葉に、2人は一瞬顔を見合わせた後、嬉しそうに頷いた。

◆◆◆◆◆

塾の講義と講義の合間。

私はトイレに行った。

手を洗い、ポーチからハンカチを取り出そうとした時、私はうっかり手鏡を落としてしまった。

床に触れた瞬間、その鏡は派手な音を響かせ割れてしまった。

慌てて飛び散ったガラスの破片に手を伸ばした私は

「……痛っ!!」

指を切ってしまった。

やっちゃった。

指先から滲み出る紅い液体を見て私は、大きな溜息を吐いた。

とりあえず、手を洗わなきゃ……。

散らばった破片の片付けは後回しにして、私は立ち上がり蛇口を捻った。

水が勢いよく流れ出した瞬間、ポケットの中でケイタイが震えた。

取り出してみると、桃香ちゃんからの着信だった。

珍しいなぁ。

桃香ちゃんは塾に行っている私に気を遣ってメールばかりなので、着信があること自体が珍しいことだった。

指先から血が出ていたので、私は左手で通話ボタンを押し、耳にあてた。

「……もしもし、桃香ちゃん?」

『アユちゃん!?』

「うん、珍しいね。メールじゃなくて着信だなんて」

『今、授業中?』

「ううん、休憩中だけどどうかした?」
80
最初 前へ 77787980818283 次へ 最後
ページへ 
ページの先頭へ