コトダマ~The Story of Ayu & Hikaru~
第13章 喧嘩
夏休み8日目。
いつもヒカルがいるゲームセンター。
その日、ヒカルの姿はそこにはなかった。
店内中を探してみたけど、やっぱりヒカルはいない。
……なんでいないんだろう?
キョロキョロと辺りを見渡していると
『ねぇ』
背後から声が聞こえた。
……誰に言ってんだろ?
そう思いつつも振り返ってみると
そこには2人の女の子が立っていた。
夜の繁華街にいても全然、違和感のないちょっと派手な感じの女の子達。
その女の子達の視線はまっすぐに私に向けられていた。
「……えっと、私ですか?」
「うん、そう、そう」
片方の女の子が私に手招きをしたから、私は恐る恐るその子達に近付いた。
「ほら、絶対そうだって!!」
「そう?」
「どう見てもこの子じゃん!!」
「う~ん、そう言われてみれば……」
一体、なんなんだろう?
……この人達は……
首を傾げていると
「ねぇ、あんた最近よくここにきてるよね?」
「え?……あぁ、まぁ……」
「毎回、ヒカルくんに叱られている子でしょ!?」
「……叱られているっていうか……なんていうか……」
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