コトダマ~The Story of Ayu & Hikaru~
コトダマ~The Story of Ayu & Hikaru~
完結
お礼23
発行者:桜蓮
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2014/02/09
最終更新日:---

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コトダマ~The Story of Ayu & Hikaru~ 第11章 真実
雨の日ばかりが続く梅雨がやってきた。

ジメジメとした生温い空気が、私の心をより一層重くする。

塾の帰り。

数日前からずっと降り続いていた雨はようやくあがっていた。

手首の時計に視線を落とすと19時過ぎだった。

いつもは塾が終わるのは20時過ぎ。

今日は講師の先生が急用でお休みだったからたまたま1時間早く終わった。

この時期の1時間では外の明るさが全然違う。

いつもは塾が終わると、陽も完全に沈み真っ暗になっているから、寄り道をする気にもならないけど

今日はまだ明るかった。

夜の繁華街には足を踏み入れようとは思わないけど。

今日はまだ大丈夫だよね。

そう思った私は

……ちょっと本屋さんに寄って行こう……。

参考書を買うために駅の前を素通りして繁華街へと向かった。

◆◆◆◆◆

本屋さんで参考書を買い外に出ると、さっきよりも随分暗くなっていた。

……早く帰ろう……。

私は、足早に駅へと向かった。

その時、後ろから声を掛けられた。

「アユちゃん!!」

聞き覚えのある声に振り返ってみると

そこには亜子ちゃんがいた。

「亜子ちゃん!!」

「今、塾の帰り?」

「うん。アユちゃんも?」

「今日は早く終わったから、本屋さんに寄ってきたんだ」

「そっか。ねぇ、一緒に帰ろう?」

「うん!!」

1人で繁華街にいることに不安に感じていた私は、亜子ちゃんの嬉しい申し出に大きく頷いた。

「亜子ちゃんはどこの塾に行っているの?」

「ん?すぐそこだよ」

そう言って亜子ちゃんはビルを指差した。

「そうなんだ」

「アユちゃんは?」

「駅の近く」

「本当!? なにげに近くだね」

「そうだね」

そんな会話をしながら歩いていると、あっという間に駅が見えてきた。

「あっ!! そうだ!! お母さんから牛乳買ってきてって頼まれているんだった」

「コンビ二に寄っていく?」

私は近くにあったコンビニの看板を指差した。

「うん!! でも……」

「……?」

「……家の近くのコンビニにしようかな」

コンビニの入り口に視線を向けた亜子ちゃんが、突然声を潜めた。
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