コトダマ~The Story of Ayu & Hikaru~
コトダマ~The Story of Ayu & Hikaru~
完結
お礼23
発行者:桜蓮
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2014/02/09
最終更新日:---

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コトダマ~The Story of Ayu & Hikaru~ 第9章 入学式
亜子ちゃんも私と同じで、友達と離れ聖鈴に入学したらしく、新しい友達ができるか不安だったらしい。

そんな亜子ちゃんと私が仲良くなるのにそんなに時間はかからなかった。

◆◆◆◆◆

亜子ちゃんと話していると、後ろを向いていた亜子ちゃんの視線が私の背後に向けられている事に気付いた。

えっ?

なに?

亜子ちゃんだけじゃなくて、今まで自由に近くにいる人と話していた人達も後ろに視線を向けている。

そして、その全員が驚いたような表情を浮べていた。

ざわついていた教室内が急に水を打ったように静まり返っている。

不審に思った私は亜子ちゃんの視線の先を辿るように後ろを振り返った。

みんなが注目する視線の先には1人の男の子がいた。

明るく染められた茶色い髪。

着崩された制服。

耳には幾つものボディピアス。

大きく開かれたシャツの胸元にはシルバーのネックレス。

中等部の生徒の証拠である赤いネクタイは締められていなかった。

とてもじゃないけど、その男の子は私達と同じ新入生には見えなかった。

だから、上級生かとも一瞬、思った。

……だけど、私は気付いてしまった……。

「……ヒカル?」

小さく私の口から漏れたその声は

『おう!ヒカル!』

教室の後ろにいた、男の子達の声にかき消されてしまった。

唯一、私のすぐ傍にいた亜子ちゃんにだけは、私のその小さな声は聞こえていたらしく

「えっ?」

亜子ちゃんは不思議そうな表情で私とヒカルを交互に見ていた。


……ねぇ、ヒカル……。

私はずっとあなたの笑顔を見たいと思っていました。

友達に囲まれ楽しそうにあなたをずっと見たいと思っていました。

あの日、久々に見られたあなたの笑顔。

男の子達に囲まれて笑顔を見せたあなた。

……でも、その瞳はやっぱりどこか寂しそうでした……。


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